桜梅桃李H30/1【メルヒェン】

2018.01.19

「お子さんにとって、『一番良い』と思うことを、『一つだけ』叶えてあげましょう!」こう言われたら、どう答えますか?

男の子の母親は、不思議なおじいさんから、こう言われて考え込んでしまいました。
「子どもにとって一番良いこと」って、お金?健康?美しさ?賢さ?結局、母親が願ったのは、「皆が、この子を愛さずにはいられないようにして下さい」ということでした。

男の子は、誰からも愛されて育っていきます。
何をしても、嫌われません。
皆から、甘やかされるばかりです。

しだいに、彼はわがままになり、傲慢になっていきます。
やがて彼は、都会に出て出世しますが、横暴で破滅的な生き方をするようになってしまったのです。

母親も亡くなり、彼は、いつもむなしく、喜びも充実もありません。
彼は絶望し“人々から愛されるという魔力はいりません。
そのかわりに、自分が「人々を愛する」事が出来るようになりたいと叫びます。 

魔力は消え、彼に現実の厳しい試練が襲いかかります。
しかし人々を愛し、尽くすようになった彼は、生き甲斐と、人生の味わいを知りながら、故郷へ帰ります。
その目には、母親と一緒だった頃の、あの美しい輝きが蘇っていたのです。

これは、ヘルマン・ヘッセの『メルヒェン』に収められた話です。
人は、わが子に様々な願いや、思いを託すものです。
しかし、ヘッセの話が物語っているように、子育ては、なかなか親の思い通りにいかないものです。
「子どもの育て方が分からない」「子どもを育てる自信がない」という悩みを抱えたお母さんが、増えているとも聞きます。

教育に関する議論の中で、家庭の躾の無さや、親が善悪を教えられないことを心配する声もあります。
不登校・いじめなどに、かかわっていくべき家庭の在り方も、考えなければなりません。

子育てを通して、親自身の「生きる姿勢」そのものが、また、人間としての「目標」と「哲学」と「理念」が問われてくる、と言っても過言ではありません。

子育ての過程では、想定外の困難な出来事に出合うものです。
その時こそ、母親の「愛」と「強さ」が必要です。

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わかば塾
林 正行