桜梅桃李H28/3【人間の子どもは、かわいそう.】

2016.03.16

「動物会議」という絵本を知っていますか?第二次世界大戦終戦直後にドイツの児童文学者エーリッヒ・ケストナーが、書いたものです。

「人間たちが、たくさんの国に分かれ、戦争を繰り返している。戦乱の中で親や兄弟を失い、飢えに苦しむ子どもたち。
『これでは人間の子どもが、あまりにもかわいそうだ』と、動物たちが警告するが、人間は、何十回も会議を繰り返しているばかり。
動物たちは、人間の子どもを救うため、一度だけ『会議』を開く。
世界中から動物の代表が集まってくる。『国境を無くそう!』との動物たちの呼びかけを、人間の政治家は、はねつける。

とうとう動物たちは、非常手段に出る。『役に立たない両親からは親の資格をとりあげてよい』という人間の法律に従って、大人たちから、その資格をとりあげてしまい、すべての人間の子どもを一晩、自分たちのところに隠してしまった。

子どもたちのいない、物音ひとつしない世界で、途方にくれて悲しみに沈む大人たち。

動物の代表である、象のオスカールが人間全体に演説をする。

『我々の忍耐はつきた。
我々は、君たちの子どもをらを愛し、その将来を心にかけているのに、君たちの政府は、君たちの子どもらとその将来を、繰り返し、けんかや、戦争や、わるだくみや、欲ばりによって、危険にさらし、破壊している』

子どものいない淋しさ。耐えられない苦しみに、とうとう大人たちは、動物たちの要求をのみ、条約にサインする。そして、子どもたちは、それぞれの親もとに帰ってきた。」 

おはなしの最後、動物たちが人間に調印させた条約は、

1.国境をすべて取り除く。(国を、ではない)
2.軍隊の撤廃。戦争放棄。
3.警察は弓矢のみ使用。科学が平和に使えるように監視。
4.役所、役人、書類棚は最小限度に。「役所は人間のためにあって、その逆ではない」
5.役人の中では教育者を最も重んじること。
 「真の教育の目的は、悪いことをだらだらと続ける心を許さない、ということでなければならない!」

動物会議の会場には、一つのスローガンが掲げられていました。

「子どもたちのために!」

現実の世界でも、この一点で、心ある大人たちは団結しなくてはいけないのではないでしょうか。

「悪いことをだらだらと続ける心を許さない」と立ち上がる時です。

現代に生きる、すべての大人たちが、子どもに対する責任があるのですから。